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虚無感

「一匹しか飼っていないし、お金もあるから、毒を食べて死のうが、交通事故や喧嘩で怪我をしようが、動物は自由に生きるものだと思っていますから、誰がなんと言おうと私は出入り自由で飼います」

こんな風に言われた。
都会ではそんなのは非常識だと説得をしてみたが無理だった。

そういう人に限って、自分が保護したけど自分の家で預かれないからという理由で他人に預かってもらっている猫が、ケージ暮らしが長くてストレスがたまってかわいそうだと抜かす。

やっと先週末、この猫の仮の里親が決まってお試しに入った。
(私はこのやり方は嫌いなのだが、仲介した人の主義なので口は挟まないでいる)
ところがその里親の家が汚いし、自分より金がなさそうなのに9匹も飼っていて、とてもじゃないが預けた猫が心配だと言う。
かといって取り返せばまたケージに逆戻りだし、いっそもといた場所(外だ!)へ戻そうかと思うと言い出す始末。

ふざけんな。自分が預けられなくて、他人に迷惑かけているなら、その先のことは口出しするな。
かわいそうだというなら、何とかして自分の家に引き取る努力をしたらいいじゃないか。

奇麗事言っても里親が見つかるわけじゃない。

ポスター用にかわいく写った写真を送ってくれといわれたのが、せめてもの救いだったが、彼女が飼い猫を外に出すのをやめさせることはできなかった。
それこそ猫かわいがりしていると言っていたのに、それは怪我や病気の治療代を湯水のように使っていというだけだったのだ。

汚くて殺風景な家で9匹飼っている人と、五十歩百歩だ。

こんなひどい飼い主を目の当たりにして、猫のために泣くしかできない自分の無力さがいやになる。

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