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Star Trek : Enterprise の与太話 原語と吹替え

原語バージョンで見直しながら気がついたこと。
まず、吹替え版しか見ていない方は、かなり印象が違うはずなので、もし機会があれば是非原語でもご覧いただきたいです。

かなり別物

吹替え版で観ていると、毎回毎回、むくつけき男共がキーキーと黄色い声で怒鳴りあいばかりしているイメージが強い。
これでは視聴者は、「22世紀は全地球人が仲良しになった時代」と聞いても、まるで信じられない。
ヴァルカンが「おまいらみたいなケツの青い奴らが宇宙に出て行くなんて100年早いわ」と本気で言ってきたとしても反論できなくて当然に見える。
だから、船長がいくら「とんがり大使がお父ちゃんに意地悪したねん、ヴァルカンいけずやわー」って言っても、こっちは共感しにくい。

しかし、原語で聞いてみるともう少し落ち着いたトーンで皆さんしゃべってるんですね。
船長もですがマルコム、フロックス、トリップも、俳優さんの地声はもっと低くて、それほどお調子者って感じはしません。
だからこそ、時々お茶目なシーンでの演技が際立つわけで…。
吹替えは少々大袈裟にしないとむしろ変に感じるというのはわかっていますが、やはりやりすぎの感があります。
声優の人選に問題ありと言ってしまうのは簡単ですが、費用とかスケジュールとか色々あって大人は大変なんだから、あんまりいじめてもしょうがない。
が、声優(または日本語脚本の演出)によって作品のイメージが大きく変わってしまうというのは、放映時間の都合で途中が勝手にカットされるのと同じぐらい惜しい事ではあります。

ま、それでも地球人=感情的、ヴァルカン=論理的という構図があってこそなので、結局は最後まで地球人は怒鳴る殴る喚く泣く笑う(笑)

それと、こいつらのどこが軍人やねんと思う、砕けすぎの会話。
(聞くところによると宇宙艦隊は軍隊では無いらしいんですが、階級とか運営とかそういうのはアメリカ海軍方式そのままなんで、まああまり細かいことは言わないでください)
実際、原語でも通常の会話の場面では後の時代とされるシリーズよりは明らかに軍人ぽくない話し方をしているそうです。
でも上官に対してのお返事である"Aye sir"を「わかりました」なんて訳されちゃうのは…。
軍隊用語に関しては、場面によって翻訳がかわるのはオカシイと思うんだけどなぁ。
しかも「わかりました」だと一般的な会話と違わないので、一段と軍隊らしく無い演出になってしまうわけですよ。

ついでにいうと、探検が主な任務といえど、外宇宙にいけば盗賊やら未知の種族がいてかなり物騒です。
しかし、いつ敵がくるかわからないとわかってからも、ダイニングで和気藹々と会話しつつお食事しているのも違和感があるのですよ。
22世紀にもなると「規律」というものの考え方が違ってきてるんですかねぇと解釈するしかないわけですが(^^;
とあるエピソードでマルコムが「上官と気安く食事などできません。艦内の規律が乱れている」って言っていたのはある意味当たっているというか、ひょっとして視聴者からもツッコミがあったんでしょうかね。
個人的には船長との食事は別にいいんじゃないかと思いつつ、でも上下関係は常に意識していないと仕事に差し支えそうな気もしました。

性格まで違って見える

さて、原語の話に戻りますが。
俳優さんの本当の声を聞くのもまた原語で観る楽しみのひとつです。
それは個々の訛りといいますか、そういうモノが翻訳版では端折ってあるからです。
古くから南部訛りを東北弁にしたりという工夫がなされて来た吹替えですが、最近はそういうのは差別となるからなのか、それとも翻訳にあてる予算の関係かは知りませんが、クルーも異星人も基本的には標準語で話します。
でも、マルコムはイギリス出身という設定(実際の俳優さんの出身もイギリス)で、イギリス訛りで(おそらくアメリカ人からしたら)ちょっと鼻につく感じで話しますし、トリップは南部訛でやや田舎くさい青年のイメージです。

吹替えではマルコムが無表情でいつも冷静沈着に見えるよう、声優さんも頑張ってくださっていてキャラクターのイメージは損なわれてはいないけれど、ちょっと保安部員としては線が細いですね。真面目な口調で語らせることでイギリス訛りのイメージに近づけているんでしょうか。
実際の俳優さんの声はもっと低くて、クールで強そうな感じがします。身体は小さめですが。

また、トリップは、吹替えの声が合ってないとは言いませんが、あんなにいつも興奮してる感じじゃないです。
南部訛りの感じとして「狙いが外れてたみたいっす」みたいな翻訳をしているのだとしたら、ちょっと違うかなぁと思います。
(ちなみに画面をみている限りでは、「マルコム&トリップ」は「グリーン先生とロマノ」には見えませんでした)

船長につきましては、そもそも本人の声が個人的に好きなので原語でないと(笑)
吹替えの谷口節さんの声も大好きなんですが、何故か他の俳優さんの時より低い声で当ててるので、いまひとつ若さが感じられなくて。(船長は40代前半の設定)
ついでに言うと、アウトテイク(NG集)での船長の可愛い声が超オススメ。
立場的に無理だったのだろうけど、酔っ払うとか薬を飲まされるとかウィルスに侵されるとか(この際理由はどうでもいいのだ)で、声が可愛くなっちゃうエピソードとか誰か書いてくれたらよかったのに(笑)
あるいは、この方とってもお歌が上手いので、テーマ曲を弾き語りで歌っちゃうとか…。
豪華客船だったら船長とお食事とかダンスホールで踊るとか、マジックショーやら歌謡ショーなどのシーンが作れるのにねぇ。
(結局シリーズ内で唯一歌ったといえるのはフロックスだけでした)
さすがに惑星連邦ができる前は、貨物船はあっても客船は無理だったんでしょうか(^^;

あ、また話がそれた。

繰り返しになりますが、総じて男性陣の声が、声優さんの方が高いんですね。それで議論だとかのシーンになると、吹替え版では怒鳴りあいに聞こえるのでしょう。
トラヴィスも声優さんよりご本人のほうが低い声です。強いて言えば、声優さんのほうが実年齢の設定(二十代後半)より若く聞こえてしまいます。
でも出番が少ないのであまり気になりません(ああ、ファンの方、ぶたないで~)
Dr.フロックスは吹替えの茶風林さんの声の方が若干高めなんですがさほど違和感はありませんでした。ただフロックスが芸達者というか小技をやるので、そういう面が大変だったのではないでしょうか。

トゥポルとホシに関しては特にどちらでも良かったかと。
別に女性だからどうでもいいってことじゃなく、声優さんと俳優さんの声にそれほど違和感はなかったという意味です。

科学、軍事などの専門用語の翻訳

(多分、原語の台本ですらシーズンを通して用語が統一されていないとかチェック漏れの可能性もあるわけですが)、どうも日本語吹替え版の台本を作る際に用語集を作らなかったのではないかと。
また、カタカナのままでは意味不明なもの、逆にこれはカタカナでもいいだろうと思うもの、いくつかありました。

ダイリチウムはジリチウムじゃないかしらとか言ったら「うるさいわヴォケ」って怒られますかね。
あと、パワーセルはなぜ電池じゃダメなんでしょうねぇ。
コンジットなんて生まれて初めて聞いた単語だと、何度言われても「チューブ(あるいはパイプ)状のもの」は思い浮かばなかったです。
リアクターもいまいちピンと来ない。nuclear reactorが原子炉なんだから、まあそういう関連の装置なのだなぁと辞書を調べてわかった次第。
普段は具体的に分からなくても「どっか壊れてるんだ」ぐらいの理解度でよいのでしょうが、本筋に絡んでいたりすると話に入り込めなかったりしますよね。
私はまったくの素人なので、海外ドラマの台本の翻訳がどういう風に行われるか知らないのですが、シーズン毎に翻訳スタッフが選出されるとかそういう理由で、全体を通しての統一感を持たせられないのでしょうか。
それにしても、前のシーズンの翻訳台本を見るなり、プロフェッショナルならもうちょっと何かできると思うんですけど…。
(どうやら、敢えて他のシーズンの訳を使わなかったという事もあるらしいですが)

あと、細かい話ですが、階級や役職の呼び方が時々混乱するんですよ。(一応途中から詳しい方が監修をされたと聞いているんですが)
キャプテンは大佐と船長という二つの意味があって、どっちのつもりの台詞かを判断するのが難しい場面が時々あります。
第3シーズンのTwilightというエピソードでは、任を解かれたアーチャーが後日エンタープライズに再乗艦するという場面があり、後任のタッカー船長以下全員がアーチャーを指して「船長」と呼ぶのですが、実際の船長はタッカーであり、一応話の流れとか場面の状況で観ている人間はまぁ今言った「船長」はアーチャーのことなんだろうと推測できるわけですが、原語では「the Captain」と言って区別しているようでした。
もう船をおりたフロックスとトゥポルからしたら、アーチャーはいつまでも「船長」なんでしょうという解釈もできますが、タッカー船長が「船長は…」というのはちと違和感がありました。
また、Commanderが少佐と訳されているのも間違いなのかどうか、何しろフィクションなわけで、結局良くわかりません。
右胸の階級章から見て、船長4つ、少佐3つ、大尉2つ、少尉1つなので、宇宙艦隊には中佐と中尉が無いと考えてもいいような気もしますが…。
(役職と階級についての詳しい考察がST翻訳概論にありました)

参考:Yahoo!辞書 自衛隊、アメリカ・イギリス軍隊階級表

イディオム

例えば、トリップの台詞に"Keep your shirt on!"(そうカッカしなさんな!)なんてのがあるわけですが、原語で鑑賞するとこういうイディオムを知る機会が得られるので、私にとっては大変有難いのです。
あと、誤訳されている可能性もあって、吹替えでは意味が通じないところを見直したらわかったり。
それから、日本語字幕や吹替えではどうしても秒数の関係で固有名詞などが端折られたり、どうしても説明しないといけなくて本当は言ってないことが付け足されているのが原語字幕を見ていると良くわかります。
まぁ、こんな与太も字幕つきDVDだからこそいえるんですけどね。
本当によい時代になりました。ビバ! サイエンス(笑)

吹替えの意義

意義もなにも、声優さんの個性的な声で観るのは実際楽しい。
また、多少誤訳や意訳があるとはいえ、いちいちDVDを止めて字幕の意味を考えたり、何度も戻って繰り返し見なくとも、お話の筋がちゃんとわかるというのは有難いです。
だから私は、1回目はコーヒー片手にソファでゆっくり吹替えで観るというのが好きです。
2回目は日本語字幕を表示して原語で観ます。本来のドラマのイメージが掴めます。
3回目は英語の字幕を表示して、吹替えで観ます。これで原語で言ってて省かれた内容などがわかったりします。
4回目以降は、原語と吹替えを行き来しつつ、楽しみます。

あ、そうそう、アウトテイクやコメンタリーにも英語と日本語の字幕が付いていたのが大変嬉しかったです。
(昔のDVDは、こういう特典映像には英語の字幕すらついていなかったりします)
なお、途中でメインキャストの声優さんが交代したのは残念な事でした。

以上、超素人の与太話なので、厳しい突っ込みはナシでお願いいたします。
ぺこ <(_ _)>


海外ドラマのもっと濃い話はこちらへどうぞ→went... a little caca

Comment:2

kuma2007-07-10 (Tue) 00:50

そもそも見てないのでアレですが、Captainはこの場合「艦長」か「大佐」でしょうな。日本語で船長は民間船の場合ですから。

あとコンジットといえばパイプしか思いつかないんですが。いや高校のころ、さんざ使ったんで。普通は...使わないか。

神渡 りり[TypeKey Profile Page]2007-07-10 (Tue) 10:59

何を言いたかったかが、説明がちょっと判りにくかったですね。
それと、ちょうど言及された部分で勘違いをしていたので、書き直しました。
kumaちゃんの突っ込みに対しての訂正では無いので、訂正線ではなく上書きで直しちゃいました、スミマセン。

で、Entarpriseでは4シーズンを通して、Captainは「船長」と訳されています。
これは地球人が外宇宙へ初めて探査に行くいくミッションであり、惑星連邦ができる以前(つまり「宇宙大作戦」よりも前)のお話ということで、船長なんだそうです。
「宇宙大作戦」は「カーク船長」ですからね(^^)

それと、船の指揮者としてのCaptainは階級に関わりなく、常に一人だけという事が別のシリーズのエピソードでも言及されていて、その考えにてらしても、タッカーの階級がその時大佐(Captain)であるかどうかに関わりなく役職が船長であったなら、艦内では他の誰をも「船長」と呼んではならないわけでして。
実際、同じ場面でマルコム・リードという人は大尉から少佐に昇進していたのですが、別の船の船長になっていたのです。
普通に考えても船長は絶対的な存在じゃないと命令系統その他が混乱しますよねぇ。

もっというと、現在の海兵隊にあたるような軍人が途中から艦に乗り込むのですが、彼らはそちらの階級で呼ぶので、少佐がMajorで大尉がCaptainと更にややこしくなりますが、それを避ける為なのか、Major(少佐)、Sergeant(軍曹)、Corporal(伍長)だけが出てきます。
(軍曹と伍長はこれまた誤訳か意図的なのか、実際の海兵隊と違ってますね…笑)

科学的な用語に関しては、当たり前ですが自分が接したものしかわからないですねぇ。
他にもエミッターとかナセルとかもう最初はわからないものだらけだったんですが、医療室で使われる道具の名前が時々わかったりしますしね。

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