SGA S2-18 Michael 

まず、Connorファンで未見の方へ。
AXNの放送を見ている方は、絶対に放映開始前にテレビの前に正座して待つことをオススメします。
是非とも、最初から1秒たりとも瞬きせず御覧下さい。
とにかく未視聴の方は即刻Uターンした方がいいです。
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ここはどこ?
冒頭、一人の青年が突然覚醒します。
ブルーの眼がとても美しいけれど、自分がどこにいるのかわからないようです。
この純真無垢な青年の様子を感じるためには、予備知識なしでこのエピを観ないと勿体ない!
(事実私は、二度目以降はもうこの不思議な感覚は得られなく、とても残念に思っています)
なので、未見の方は本当にこの先は絶対に読まないほうがいいですよ、と最後の警告をしておきます。
さて、この誰からも好かれそうな青年の周りには数々のモニター画面が並んでいます。
更には、ベケット博士が部屋の上から監視していて、彼が覚醒した事をウィアーに伝えます。
ベケットが眼の検査をしている(この時の彼の表情がまた堪りませんね)ところへ、ウィアーとシェパードが来ますが、自分がMichael Kenmore(マイケル・ケンモア)中尉であり、任務中にWraithに捕らえられたのちに救出されたと聞きます。
その間もちんぷんかんぷんと言った表情で話を聞いているマイケル。なんと哀れな事でしょう。
どうやら青年は医療室の個室に寝ているようです。観察を続けるようウィアーがベケットに伝えます。
記憶が完全に無いままで退院したマイケルは、ハイトマイヤー先生からアトランティスに順応するように助言されます。
テイラを超えるような運動能力を持ち、何故かWraith文字をスラスラと読めてしまうマイケル。
そのうちに、アトランティスの人たちが、自分を見る目がおかしいと気づきます。腫れ物に触るような、隠し事があるような…。
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ほらほら、みんなそんな目で見てるやんか
そしてある日、毎晩同じ悪夢にうなされるマイケルは、別の睡眠薬を処方してもらおうと医務室に行って自分が誰なのかを知る事となります。
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がーん
アトランティアンたちは、なんとかマイケルが自ら人間になることに協力してくれるように期待しましたが、レトロウィルスはまだ彼の本能をすっかり消し去ることはできなかったようです。
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血ぃ吸ぅたろか
そしてマイケルはWraithとして生きる道を選ぶのですが、仲間のもとへ連れ帰されたあと一体どうなるのでしょうか。
InstinctおよびConversionで触れられていたWraith人間化のレトロウィルス研究がここまで進んでいたんですね。
ただし、一旦ウィルスを投与すると昏睡状態になり、数日間苦しみぬいた挙句、記憶が抹消されるという副作用が今回初めて判ったという事なんでしょう。
(余談ですが、マイケルが苦しむシーンは、モニター内の粗い画像で観るのは勿体無いほどの鬼気迫る演技です)
ひょっとするとマイケル以前に何人かのWraithが死んでしまっているのかもしれません。
マイケルがああいった反応を示すまで、ウィアーやベケット以下関係者は「拷問」「虐待」「人権蹂躙」といった事は考えていなかったか、「戦時下」という理由で問題なしと考えたようです。
そうでなければ、レトロウィルスが完成したかどうかの治験を、Wraith本人の了承を得ないでするわけがありませんから。
細かいことを言えばWraithは人間ではありませんが、知的生命体に対して、拷問や不当な拘束などの行為は一般的には倫理に反するはず。
しかし、シェパードは拘束室にいる「ほとんど人間のマイケル」に対してすら、相手が無抵抗なのにWraithと闘っているときと同様にスタン銃を撃ちました。
本当に重くて難しいテーマのエピでした。
ENTのSimilitude(062 ライサリア砂漠幼虫)と良く似ていると思います。
ConnorがそもそもSGAの出演を考えたのは、このエピの台本を読んで是非このマイケル役でという事だったのでしょうか。
Dr.ベケット役のPaulが「あまりに重過ぎるテーマなので、最初に台本を読んだときは、やりたくないなって思ったほど」(公式ガイドより)と言っているように、こんな話を放映したらすごい批判を浴びるかもしれないという懸念が製作側にも少なからずあったのではないでしょうか。
もし、ConnorやPaulのような演技派がやっていなかったら、描ききれなかったかもしれないと思うほどに、本当にヘビーな内容です。
しかし、そこはTVドラマなので、全編重苦しかったら本編開始5分でチャンネルを変えられてしまいますから、殆どぎりぎり最後の方までは「マイケルがこのまま人間になったらいいよね」と、あたかも彼が妖怪人間ベムであるかの如く、いつのまにか私達もシンパシーを感じてしまうよう引っ張って行きます。
実際私も、マイケルにはぜひとも人間になってアトランティスをWraithから救う手助けをして欲しいと思いました。
ところが、彼が本当のことを知ったとき、単にでっちあげの写真や記憶で騙されていただけでなく、自分のアイデンティティを勝手に弄られてしまった怒りと悲しみに打ち震えます。
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わたしはレイス
「捕虜を人体実験している」という意識は、ウィアーやベケットには最初からあったと思います。しかしもはや他に打つ手がなく、苦渋の決断だった(と自分に言い聞かせていた)のでしょう。
シェパードは軍人ですが、研究者である彼らにとってはいくら戦時下では拷問OKと言われても、そうすぐに納得できるとは思えません。
ですから、マイケルが「Wraithであるという事は、伝染病かなにかみたいなもので、治せばそれでいいと思っているのか」というその言葉に彼らはショックを受けます。
人間の側からすれば「Wraithで居るよりは人間の方がずっとよい人生を送れる」というのは詭弁ではないかもしれません。
実際、テイラはマイケルに「人間として生きる方が幸せだ。Wraithは人を殺し、人を食べる。そして無慈悲だ」と言いますが、マイケルに「私を人間にするのは、君達が幸せになるからだろう? 私を勝手に人間に変えた行為は無慈悲とは言わないのか」と反論されても答える事が出来ません。
一方、「人間のような外見で、人間のように話し、振る舞いも人間だが、結局彼は依然としてWraithだ」と言い放つデックス。
このように、徹頭徹尾Wraithに対して憎しみしか感じていないデックスに対してマイケルが言った次の台詞が印象的です。
「あなただけが、最初から一貫して私を偏見視しなかった。それだけは本当に感謝している」
半分皮肉、半分本音。
言われて眉毛一本動かさなかったけれど、デックスの胸にはチクっとぐらいはダメージを与えたのではないでしょうか。
「実験の継続を受け入れるか、処刑(死)か」という選択をつきつけられ、一旦は実験続行を受け入れたマイケル。結局はそれは嘘で、テイラを利用して逃亡します。
私は、ここの描き方が不満です。
マイケルが逃げたら、アトランティスが実はまだ存在する事や地球の場所もみんなWraithに伝わってしまうという危険な戦況にありながら、アルファサイトなので機材等が限られるとはいえ、あんなお粗末な警備体制でまんまと逃げられてしまうという筋書きは幾らなんでもひどい。
そこまで軍人(=シェパード&デックス)は馬鹿じゃないでしょうに。
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「あーん。」「まずっ」
アルファサイトには堅固な牢が無いのでマイケルは手足をベッドに拘束され、テイラが付き添っていました。
でもWraithの遺伝子を持ちテレパシーが使えるテイラをマイケルの側に置くなんて愚の骨頂です。
案の定、ここでテイラに「何かしたい事は?」と聞かれたマイケルが「腹が減った」と答えるんですが、これは本当にお腹が空いていたわけではなく、食事するときに縛られている手をはずしてもらえることを期待していたわけですよ。
だからその後でテイラがスープを持ってきたときに、無言で手を引っ張って見せるんだけど「手伝うわ」といってスプーンを口に持って言って食べさせるだけだったもんだから、二口目を口に近づけたら「まずいからもういい」という顔で首を振る。本当は期待を裏切られたので次の手を考えているだけ…。
そして、テイラがWraithにテレパシーのような物を使えたのと同じく、マイケルもテイラにメッセージを送って手足の拘束を解かせるのです。
しかし、マイケルは、自分がこんな能力を持っていることにいつ気がついたんでしょうね?
 
(ところで写真につけたキャプションがちょっとおふざけなのは私の趣味です。エピの内容は至って真面目です)
 

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